動物園よもやま話I/98-07-09
晋及指導係の佐藤勝夫さん

多摩動物公園が開園した昭和33年当時は、
よく「自然動物公園」という名前で呼ばれていました。

野生動物が園内に自由に放されている、
いわゆる無柵放養式のイメージでとらえられていたようです。
現に開園当初、ニホンザル、ニホンカモシカなどを放し飼いにする計画があり、
その施設もあったのです。
しかし、いくら広いとはいっても、サルたちの行動範囲にしてはあまりにも狭く、
やはり実現しなかったようです。

一方、定着性の強いキジ類の放し飼いは数年間続き、
園内のいたるところにさまざまな種類を見ることができました。
夜ともなれば、
そこいらじゅうの木の枝に鈴なりになってとまっていたことが、思い出されます。
アフリカ園のサパンナには、
数十羽のホロホロチョウが、けたたましい声を出しながら群れをなしていました。

しかし、キジ類の放し飼いも、雑種の出現や病気の伝染などの心配から中止され、
今ではイソドクジャク1種のみが放し飼いになっています。
数年前までは雛をつれたクジャクをよく見かけたものですが、
動物舎の拡張や園内の整備で自然繁殖の場が少なくなったせいか、
最近ではほとんど雛を見かけません。
今年は人工孵化で育った新しい若鳥がたくさん放されたので、
来春にはまたいたるところでオスのディスプレイが見られるようになるでしょう。
自然に繁殖し、親子づれで歩くクジャクを見たいものです。