動物園よもやま話F/97-07-29/ミクロコスモスをつくる

飼育課長安部義孝さん


オーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツの著書「ソロモンの指輪」の一節で彼は言っています。

「窓際にガラスの水槽をいくつか用意し、水草を何本か植え、池の水に小魚を入れると、最も安上がりなアクアリウムができあがる。
水も取り替えなけれぱ、餌も与えない。
これは全地球と同じに、動物と植物が平衡して生活している状態を窓際で観察できることです」。

これは、ミクロコスモスをつ<ることで、実は易しいようでなかなか難しい。
最近、小さな瓶に水草とアカヒレというコイ科の魚や、べタ別名シャム闘魚・キノボリウオ科の魚を入れたアクアリウムが市販されていますね。
これはロレンツのいっているアクアリウムに近いのですが、アカヒレもベタもタフな魚でもあります。

坂田明というミュージシャンは「ミジンコクラプ」を主宰している。
彼によるとミジンコのような小さな生物が環境を支えている、環境教育の原点がここにあるということを主張しています。

そこで私も、窓際に10個ほどペットボトルを置いてミジンコ類を飼育してみました。
黒土を少々、家庭園芸用の化成肥料を一粒、池の水を少しいれ、すくってきた幾つかの種類が混ざったミジンコの種をいれると、やがてミジンコが殖えだしました。
温度にもよりますが1週間位の周期で殖えたり減ったりする。
また肥料を入れるとアオコなどが殖えミジンコが殖えだすということを繰り返します。
そこで面白いことに1O個のボトルそれぞれが、水の色もミジンコの種類も違ってくる。
10個のミクロコスモスができたことになる。

皆様もお試しを。